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海のすこやかサイエンス

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魚、しっかり食べていますか?

特に若い世代で、日本人の魚介類の消費量やEPA・DHAの摂取量が少なくなっています。魚介類に含まれるEPAやDHAはぜひとも摂りたい「必須脂肪酸」。あなたの食生活に、おさかなは足りていますか?


 

この間、田舎に遊びに行ったら、祖母が「最近の若い人は魚を食べなくなった」と話してました。私自身はしっかり食べているつもりなんだけどな…本当に最近の若い人は魚を食べなくなってしまったんでしょうか?

 

確かに、日本の水産物の消費は、1990年代半ば以降から徐々に減少(*1)しています。それでも世界トップクラスの水産物消費国であることには変わりないのですが、特に若い世代の「魚離れ」が影響しているのかもしれません。

 

( *1: ニッスイアカデミー 役立つデータクリッピング 「世界の水産物消費」 より)

 

どの年代の人がどれぐらいの魚を食べているのか、調べたデータというのはあるのですか?

 

日本人の健康状態や、食品や栄養素の摂取状況などについて、厚生労働省による調査(「国民健康・栄養調査」)が毎年行われています。その中で、年代別の魚介類摂取量も調査されていますよ。

 

平成19年のデータでは、各世代別の1日あたり魚介類摂取量は、下のグラフのようになっていました(図1)。 

 

 

図1.日本人の世代別1日当たり魚介類摂取量

 

50代以上の人は1日あたり80~100g以上の魚介類を食べているのに比べて、同じ成人でも20代~40代の人の摂取量はその8割程度にとどまっていますね。やっぱり若い世代の魚介類の消費量は少なくなっているんですね…。

 

スーパーでパック包装されて売られている魚の切り身1切れがだいたい55~70gぐらいだとすると・・・50代以上は1日に魚料理を1~2食の頻度で食べているのに対して、20代~40代は1日1食しか食べていない、というイメージかな。

 

その1食の違いは大きい!1日の食事の1/3ですもんね。それだけ魚を食べる量に違いがあれば、当然、魚に含まれる栄養成分の摂取量にも差が出てきてしまいますよね。

 

「日本人は1日にどれぐらいの栄養素を摂取するべきか」という基準が、これもまた厚生労働省によって策定されているのですが(「日本人の食事摂取基準」)、先日行われた5年ごとの内容見直しの際に、魚に含まれる代表的な栄養素であるEPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)の摂取状況についても検証が行われています。

 

各世代ごとの平均的なEPA・DHA摂取量を示したのが、下のグラフ(図2)。まずは男性です。

 

 

図2.日本人男性の世代別EPA・DHA摂取量

※摂取量は各世代の50パーセンタイル値

 

続いて女性(図3)。

 

 

図3.日本人女性の世代別EPA・DHA摂取量

※摂取量は各世代の50パーセンタイル値

 

 

魚介類摂取量の多い50代以上と、比較的少ない40代以下とでは、EPA・DHAの摂取量に明らかな違いがありますね。特に男女とも20代の摂取量が目だって少ないみたい…。

 

先ほどお話しした「日本人の食事摂取基準」2010年版から、生活習慣病の予防のために摂取を増やすことが望ましい栄養素として、EPA・DHAが項目に追加されました。摂取の目標量として「EPAとDHAを合わせて1日1g以上」という基準が設けられています。

 

でも、上の摂取状況のグラフを見ると、ほとんどの人がその目標量に届いていないようですね。

 

EPA・DHAは体内で合成することができないため食事から摂らなければいけない「必須脂肪酸」で、健康を維持するためには欠かせない栄養素。1日1gという量はぶり一切れで補える量なので、もっと魚を積極的に食べるようにしたいものですね。今はEPA・DHAを含むサプリメントや特定保健用食品も市販されているから、そういったものをうまく取り入れていくのもいいですね。

 

 


 

※世代別EPA・DHA摂取量のデータは 「厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2010年版)発表資料」を参考にしています。

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