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食事で摂ろう EPA&DHA

魚の油に多く含まれる、健康成分「EPA(エイコサペンタエン酸)」と「DHA(ドコサヘキサエン酸)」。どのような魚をどうやって食べれば、効率よく摂取できるのでしょうか?

 

 


 

 

魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)には、健康によい様々な効果があるのですね。これまで教えてもらって、よくわかりました!

 

EPAには血中中性脂肪を正常に保つなどの働きがあり、主に生活習慣病予防のために積極的に摂りたい栄養素。いっぽうDHAは、脳や神経の発達や機能維持に欠かせない成分として積極的に摂りたい栄養素です。どちらの成分にも、その他に、血圧やコレステロール値を正常に保ったり、心疾患を予防したり、アレルギー反応を抑制したり、目の健康を維持したり、精神を穏やかに保ったりと、実に幅広い様々な効果が期待されています。

 

そんな健康によいEPAやDHA、ぜひとも日常的に摂っていきたいと思います。だけど、どんな食品を摂ればいいのでしょう?肉や野菜でもいいのかな?

 

残念ながらEPAやDHAは、牛・豚・鶏などの肉類や野菜類にはほとんど含まれていません。主に魚介類からしか摂ることができない栄養素なんですね。例外的に、卵(鶏卵)に多く含まれているものがありますが、それは鶏を育てるときのエサに、EPAやDHAを豊富に含む魚粉(ぎょふん)を配合しているからなんですよ。

 

日本で広く食べられている魚の中に、どれくらいのEPAやDHAが含まれているのかを示したのが下のグラフです(図1)。100gという分量は、だいたい魚料理ひと皿ぶんぐらいと考えればよいでしょう。

 

図1.主な魚介類に含まれるEPA・DHA量

※魚種は「総務省 家計調査」による。各項目数値はそれぞれ、食品標準成分表の「まいわし/生」「ぶり/成魚/生」「さんま/生」「まさば/生」「かつお/秋獲り/生」「かつお/春獲り/生」「まだい/生」「しろさけ/生」「まがれい/生」「めばち/生」に対応。

 

EPAやDHAは、いわし、ぶり、さんまに特に多く含まれているようですが、他の魚にも結構たくさん含まれているのですね。かつおにもたくさん含まれているようだけど…

あれ?秋に獲れたかつおと春に獲れたかつおとでは、こんなにEPAやDHAの含量が違うものなのですか?同じかつおなのに。

 

かつおのたたき

 

春のかつおは、いわゆる「初がつお」。脂の乗りが少なくあっさりと引き締まった味です。一方、秋のかつおは「戻りがつお」とも呼ばれ、脂の乗った味わいが特徴。EPAやDHAは魚の油に含まれているので、脂の乗った秋のかつおのほうが含量が多いのです。

 

 

そういえば、「ぶり」も脂の乗った腹側部分のほうが、EPAやDHAがより多く含まれているんでしたね。

 

あと、「まぐろにはDHAが豊富」というイメージがあったのですが、上のグラフを見ると含有量は案外少ないのですね。

 

上のグラフのデータは、まぐろの「赤身」の数値なんですよ。脂の少ない赤身にはEPAやDHAはあまり含まれていないのですが、これが脂の乗った中トロや大トロになると、一気に含量が増えます(図2)。一番含量が多いのは「眼窩(がんか)部」と呼ばれる目玉の後ろ側の部分なのですが、ここは普段はあまり食べないよね・・・。

 

図2.養殖まぐろ魚肉100g中のDHA・EPA含量

 

まぐろ中トロを1切れ食べれば、食事摂取基準で定められたEPA・DHAの1日目標量が摂取できるのですね。生活習慣病の予防のために、EPAとDHAを合わせて1g以上摂ることが望ましいとされているんですよね。

 

春のかつおにしてもまぐろの赤身にしても、EPAやDHAはあまり豊富ではないものの、その代わりに良質のたんぱく質、タウリン、鉄分、さらに「アンセリン」という抗酸化成分を豊富に含んでいるので、健康のために摂りたい食べ物ですね。

 

そうですね。

ところで、こういった魚を食べるときに、EPAやDHAを上手に摂ることができる調理法ってありますか?

 

刺身盛り合わせ

一番いいのは、刺身で食べること。煮たり、油で揚げたりすると、煮汁や揚げ油にせっかくのEPAやDHAが流出してしまうと言われています。蒸し焼きやホイル焼きにしたり、あるいはひと工夫して、フライパンで魚を焼いたときに出た油をソースにからめたりするといいかもしれませんね。

 

 

油まで残さず食べるように工夫すればいいということですね。食器に残る油も減って洗い物の洗剤も減らせるから、エコであるともいえますね。

 

鮭の塩焼き

 

それから、食べられる部分はできるだけ残さず食べるようにすることですね。

例えば、焼き鮭の皮って残す?それとも食べる?

 

私は、残さずに食べてしまいます。あのカリカリした部分が一番好きかも(笑)。

 

 

実は皮の部分にもEPAやDHAが多く含まれているのです。下のグラフは、シロサケに含まれるDHAの体内分布を示したものですが(図3)、皮の部分にも多くのDHAが含まれていることがわかります。食べずに捨ててしまうには、惜しい部分ですね。

 

 

図3.シロサケのDHAの体内分布

 

魚の肉も、脂も、皮もすべて、貴重な海の恵みなんですね。

食べられる部分はできるだけ残すことなく、ありがたくいただきましょう!

 

 

 

 

参考文献

日常的な水産物摂取とその効果に関する食生態学的研究 Ⅳ.食品成分機能面からの検討 竹内昌昭、国崎直道、西塔正孝 133-145(2007)

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